2024年12月に日本で3例目となる同性婚を認める判決が出ました。この判決は、同性婚の合法化に向けた大きな一歩となると期待できます。過去の判例や社会の動向を考えると、今後も同性婚を支持する判決が増えるかもしれません。このような判決が続くことで、立法府が同性婚を合法化するための法改正を検討する圧力が高まるでしょう。また、社会全体の意識も変わり、同性婚に対する理解と受け入れが進むことが期待されます。しかし、すぐに法改正、とまではいきませんのでので、近年、家族信託や相続の重要性が高まる中、特にマイノリティ層にとって、適切な財産管理や相続対策が不可欠です。本記事では、家族信託を活用した相続対策について、マイノリティ層に向けた実践的なアドバイスをお伝えします。家族構成に関わらず、適切な方法で資産を守り、次世代に確実に引き継ぐためのノウハウを解説します。
1. 同性婚における相続の課題
同性婚カップルが抱える相続に関する課題は、一般的な相続問題に加え、特有の要素を持っていることが多いです。現在のパートナーシップ協定では「相続権」は認められないので、配偶者はいつでも相続人になれる一般婚とは違い、それに代わる相手を思いやる形を自分たちで作らなければなりません。
1-1. 同性婚カップルが直面する相続の複雑さ
日本ではまだ法律上の婚姻関係が認められていないので、同性パートナーは法定相続人として扱われません。これにより、同性カップルの一方が亡くなった場合、その遺産は法律上、直系の親族(親、兄弟姉妹、子どもなど)に渡されることが多く、同性パートナーは相続から除外される可能性があります。2人で築き上げた財産であれば、その証明をすることになりますが、それを煩雑な書類を作成することになります。遺言書を用意していない場合、この点が大きな問題となります。
1-2. 相続対策を始める前に知っておくべきこと
同性婚カップルが相続準備を始める前に知っておくべきことは、法的な権利、手続き、税制、そして遺産管理の複雑さに関する重要な情報です。同性婚が合法である国や地域であっても、相続における配偶者としての権利が平等に保障されていない場合があります。特定の法的手続きが必要となることを知っておくと良いでしょう。法的にきちんとしておくために同性婚カップルは遺言書を作成することが重要です。遺言書によって、相続人や遺産の分配を明確に定めておくことで、後々の紛争や誤解を避けることができます。遺言書だけでなく、信託や贈与契約など、他の法的文書も活用することが考えられます。法的な手続きや書類の整備を専門家と相談しながら進めることが大切です。折角の準備が水の泡にならないようにしてください。
2. 家族信託の活用方法
同性婚カップルに遺言書は必要ですが、作成前に「家族信託」の知識を持っていただきたいと思います。なぜなら、信託には遺言機能も備わっており、それを踏まえての遺言書を作成した方がムダがないからです。
2-1. 家族信託とは?基本的な仕組みとメリット
家族信託とは、財産を信頼できる家族に託し、信託契約を通じてその管理・運用を行う制度です。委託者(財産を提供する人)は、受託者(信託財産を管理する人)に対して財産の管理・運用を任せ、受益者(最終的に財産を受け取る人)に利益を分配します。この仕組みは、遺言書や遺産分割協議に頼らず、財産の管理や分配を明確にし、無駄や紛争を避けるために利用されます。特に認知症対策や相続時のトラブル防止、長期的な財産運用に有効と言われています。
2-2. 同性婚カップルにおける家族信託の有効活用事例
同性婚カップルにおける家族信託の有効活用事例として、AさんとBさんという同性婚カップルのケースを考えます。二人は、共有する不動産や預貯金などがあり、それぞれに兄弟姉妹もいることから、将来的に認知症や相続時のトラブルを避けたいと考えました。そこで、AさんとBさんは家族信託を活用することに決めました。
まず、二人は不動産や預金口座を信託財産として設定し、信託契約を作成。AさんとBさんは共同で受託者となり、二人が管理・運用します。万が一、認知症などで意思表示ができなくなった場合、信託契約に基づいて指定された第三者(信頼できる家族や専門家)が管理を引き継ぎます。また、相続が発生した際には、信託契約に従って財産が分配されるため、法定相続人によるトラブルや遺産分割協議が不要になります。
この家族信託により、AさんとBさんは、互いに安心して財産を管理・運用し、将来の不安を減らすことができました。また、パートナー間での相続に関する紛争を避け、平穏に財産を引き継ぐことができます。
3. 相続対策を始めるためのステップ
相続対策は、法的な権利、税制、遺産管理、そして社会的な偏見への対処法など多岐にわたります。遺言書の作成、税制対策、信託の利用、そして専門家のサポートを通じて、万が一の際にお互いの権利を守り、円滑に遺産を分配できるよう準備しておくことが大切です。その具体的なステップとしてどの専門家に相談するのが良いのでしょうか?
3-1. 相続対策における第一歩:専門家の相談
「信託」といえば「信託銀行」が真っ先に頭に浮かぶ人が多いと思います。資産家にとって、信託銀行への相談はきっと強い味方となってくれることでしょう。「相続税対策」といえば税理士に相談と考えるのはごくごく自然なこと、そして「遺言」「法律的解釈」などについては弁護士、司法書士など、法律の専門家の門を叩くことが有効かもしれません。生命保険の受け取りを同性婚カップル同士にすることも可能な時代ですから、生命保険の仕組みを活用することもできます。でも、そもそも「私はどこに何を相談したら良いのでしょう?」という疑問がある場合の「専門家」はどこにいるのでしょうか?それが「晴れるや」です。
3-2. 家族信託を活用した相続計画の立て方
同性婚カップルの考えに耳を傾け、その後「相続計画」を丁寧に考えていきます。一般社団法人民事信託相談センター多摩支部でもある「晴れるや」ですから、家族信託を活用した相続計画を一緒に考えます。必要に応じて、他の専門家にスムーズにお繋ぎしますからご安心ください。
相続計画の立て方は、これ、といった決まりはありません。誰に何をどう残したいのか、を聞きながら家族信託契約をオーダーメイドで作っていきます。ゆっくりお話しいたしましょう。まずは下記にお問い合わせください