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本当に怖い!おひとりさま「85歳からのリアルな現実」

「おひとりさま」で過ごす日々が、特に85歳を超えるとどのように変わるのか、そのリアルな現実を探ります。一人暮らしの心理的な負担や身体的な挑戦、そして孤独感が増すことについて、具体的な事例と共に考察していきます。この記事では、85歳からの生活で直面する懸念や困難をご紹介します。健康と幸福を保つための新たな見方や対策を見つける一助となれば幸いです。

1 「認知症」になれないのは不幸?

 86歳の清子さんは、女学校を卒業後、東京都庁に勤務し、定年まで勤めあげたキャリアウーマンでした。若いころに結婚しましたが子供には恵まれず夫はその後すぐに病死し、一人生活をしてきました。元来、社交的でいろいろな集まりに顔を出し、交友関係も多い方でした。そんな清子さんも現在86歳。判断能力には全く問題がありませんが、足腰が最近弱ってきました。

1-1 介護認定の結果「非該当」

 足腰が弱ってきたのを心配した遠くに住む姪の勧めで、要介護認定の申請を行いました。結果「非該当」つまり自立して暮らせるとの判断です。地域包括支援センターの相談員の方が見えて「介護保険サービスは受けられませんが、受けられるサービスはありますよ」と笑顔で言いますが、地域コミュニティへの参加など、あまり関心が持てません。最近、何をやるにも億劫です。給食サービスを利用してみましたが、そのメニューはすぐに飽きてしまい、冷蔵庫に溜まっていくので止めました。気晴らしにデパートでも行きたいな、と思うのですが、一緒に行ってくれる人がいません。思い切ってタクシーで行こうと思ったのですが、タクシーを呼ぼうにも電話が自動音声案内でもたもたしているうちに切られてしまいました。あんなにスッスッと動けていたのに何でなの?と思うと泣けてきます。

1-2 これからどうするかを考えるのも「億劫」

 清子さんに「このままだとどんどん老け込んでしまいますよ、これからのことを一緒に考えましょう」とフレイル予防の提案をしても「認知症になってしまったほうが楽」とまで言い出しました。おひとりさま仲間の友人が最近特養に入ったそうです。入居前に会った時、清子さんのことが認識できなくなる瞬間があり、それを見てショックを受けると同時に友人の表情が楽しそうでそう思ったとのこと。「ペットボトル」を開けられなくて、購入するとコンビニの店員にキャップを開けてとお願いする時に「ありがとう」と言うことすら億劫になったと言います。働いていた時の後輩から、たまには旅行に行きませんか?と誘われても、足腰が弱くなったことが恐怖になり、電車やバスの乗り降りで同年代の後輩の手を煩わせるのも申し訳ないと悲しげに話します。子供や夫のいる友人の愚痴を聞くのも億劫と感じ、そう思ってしまう自分のことも嫌いで…とため息をつきます。せめて本音と弱音を吐ける存在が傍に居てくれたらと思います。その存在がいないのが「おひとりさま」です。

2 気にならなくなる匂いと汚れ

 88歳の頼子さんは高級ブランドが大好きな生涯独身のおひとりさまです。母親が旧伯爵?様という由緒ある家の出身で、たたずまいに「品」がある素敵な女性です。とてもプライドが高く本人曰く「このプライドが邪魔をしてこの歳までお嫁に行けないのよ」と笑っています。父親の経営する会社の役員として生計を立ててこられました。悠々自適な老後を楽しんでいるように見受けられる認知機能にも全く衰えのない方です。

2-1 外に出ないから汚れない

 現在も大きなお屋敷におひとりで住んでいますがたぶん掃除が苦手です。いわゆるごみ屋敷でしたので、家事代行サービスを頼むことにしました。「昔は女中さんがいたのよ」と懐かしみますが今は雇い入れていません。週一回の家事代行を頼むとして見積もりを出してもらうと思いのほか安価で「あら、安いわね」と依頼することを即決です。
しかし、本当の問題である、頼子さんより漂ってくる悪臭は家事代行には取り除けません。「この歳になると外出もあまりしないので汚なくないのよ」との理屈からお風呂に入る回数が少ないようです。ハイブランドの洋服にも食事でできたであろうシミが無数についていますが、洗濯もたぶん面倒くさいと思っておられます。クリーニングも「馴染みのクリーニング店が廃業してからどこに出して良いのかわからないと溜まっていました。

2-2 嗅覚の鈍化?それも老化です。

 加齢によって嗅覚神経細胞や嗅覚を処理する脳の部分が変化することが原因で「嗅覚の衰え」が起こります。肌など乾燥でカサカサしてしまうので、高い保湿クリームはたっぷり塗っていますが、その蓄積も強烈な悪臭の原因かもしれません。髪の毛量も減っているのでべたつきが感じにくいことも原因でしょうか?もし、家族がいれば「匂うよ」「洗ってよ」と忌憚ない意見をぶつけてくるでしょうが「おひとりさま」にはそんな人もいません。「お風呂とか入れてますか?」との質問に「3日前に入ったわ、最近は外出しないから汚れないの」と笑顔です。銀座が大好きでよくお買い物に行っていたそうですが、「この間行った時ね、%&#□〇~」と話す「この間」は15年ほど前のこと。歳をとると、15年前の出来事を「この間」という表現で捉えることがあるのは一般的なことです。これは個人差がありますが、過去の出来事が時間の経過によって相対的に近いものとして感じられることがあります。それを「73歳の時のことよね」と訂正しつつ会話を弾ませてくれる人がいないのも「おひとりさま」の悲哀です。

3「郵便物&訪問者」が怖い

 87歳の祥子さんはメガネの度数が合っていませんでした。小さい字を読むのが特に苦手で郵便物がいつもたまっています。テレビはたいていNHKをつけっぱなし。民法は「嘘を言うから見ない」と言います。 若いころから病弱な母の面倒をみてきたことで終身独身となりました。
両親の残した不動産収入で細々と生活しています。現在、要支援1でヘルパーさんの訪問と週1日デイサービスで身体を動かすことが楽しみ。兄弟もない一人っ子だったため、本当の意味での「おひとりさま」です。

3-1 払えというから…

 溜まった郵便物はヘルパーさんに開いてもらいます。本当は読んで内容を確認してほしいのですが、週1回45分のヘルパーさんにはお買い物をお願いするだけで時間を使い切ってしまうのです。払い込み伝票が郵便物に入っているとよくわからないから、コンビニに持っていき、全て払います。何を買ったのかとか考えません。「払わないで迷惑をかけると困るから」がその理由です。大好きなNHKで「ストップ!詐欺被害」という番組をやっていて「詐欺に遭うのは怖いので、訪問者にはびくびくしています。ピンポンと鳴ってもほとんど出ません。電話は市役所の人が録音機能のついた機械を取り付けてくれたので、相手が名乗ってから出るようにしますが、訪問者は怖くて仕方ないといいます。

3-2 早く死にたいけど、死ぬのも周りに迷惑かけそうで…

「早く死にたいけど、死ぬのも周りに迷惑をかけそうで…」これが口癖の祥子さん。メガネ屋さんに一緒に行き、買いなおしをお手伝いしました。「あ、明るくなった!」と視界が開けたことで笑顔に。メガネ屋さんに一緒に行ってくれる人を探すとき、ヘルパーさんを自費で頼むか、ボランティア団体の方にお願いしてみたら…と地域包括支援センターの方から助言があったようですが「自分で電話するにも目が見え辛くて躊躇してしまった」と頼めなかった様子。『眼鏡を変えると見えるようになって元気になりますよ』とまでのアドバイスをもらえないのは仕方ないことかもしれません。スマホもかける人もいなければかかってくることもないと持たずに生活しています。月に1回服薬をもらうため受診する内科の帰り、ずっと行きつけていたお蕎麦屋さんに立ち寄りおそばをすすってくるのが楽しみだったのに、注文がタブレットに変わり、行くことができなくなりました。「一度練習しましょうか?」と提案しましたが、「新しいことを覚えてもすぐ忘れてしまうからいい…」と悲しそうに尻込みしてしまいました。子供や孫がいたら一緒にできる外食も「おひとりさま」には海外旅行に行くくらい高いハードルになっているのではないでしょうか?

4 他人事ではない「おひとりさま」の実態

 ここまでの内容も、なかなか自分事にはならないのが「おひとりさま」の実情だと思います。夫や妻がいても先立たれたら「おひとりさま」。子供がいても遠くに住んでいたら「おひとりさま」。他人事ではないことを知ってください。

4-1 80歳を超えるとどんどん衰えていきます。

 80歳を過ぎると、身体的および認知的な変化が進み、以下のようなことが起こりやすくなります:

身体的な衰えとして
筋力の低下: 筋肉が減少し、力が弱まることがあります。これにより、歩行や日常生活での動作が困難になることがあります。
柔軟性の低下: 関節の可動域が狭まり、身体の柔軟性が減少します。
バランスの悪化: 平衡感覚が低下し、転倒しやすくなることがあります。

認知機能の衰えとして
記憶力の低下: 特に新しい情報の記憶や複雑な情報処理が困難になることがあります。
注意力の低下: 集中力が弱まり、長時間の注意を維持することが難しくなります。
意思決定の遅れ: 複雑な意思決定や判断が遅れることがあります。
語彙や言語能力の低下: 語彙の減少や言葉の選択の困難さが現れることがあります。

4-2 80歳を過ぎても憂いなく過ごすために打つ手「終活」

 これから生きていく中で、一番若いのが「今」です。80歳代を経験したことのある60歳がいたらぜひ紹介してください。絶対にいません。誰しも知りえない、未知の世界がこれから広がっているということを自覚しませんか?その対策は「終活」を始めることです。一番若い今だからこそできる防御です。
 周りに迷惑をかけないように、自分が憂いなく生きるためにぜひ「晴れるや」に相談に来てください。

「家族(親戚)がいるから大丈夫」
 その大切な家族(親戚)にあなたの老後を背負わせますか?
「そんなに長生きしない」
 言い切れますか?思い通りに死ねると思っていますか?
「友達がいるから大丈夫」
その友達はあなたより長生きする保証はありますか?あなたの老後を任せられると本気で思ってますか?迷惑な話です。
「私に限って衰えない」
もはや、神です。